<Header>
<Author: 杜甫>
<Title: 短歌行贈王郎司直>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 唐詩選　上>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 漢文無假名>
<style2: 日本漢文訓讀無假名標注>
<TranslatedTitle: 短歌行、王郎 司直に贈る>
<BookPage: 87>
<UsedPage: 1>
<Feature: 4, 6>
<End Header>
<Poem>
王郎酒酣拔劒斫地歌莫哀，
我能拔爾抑塞磊落之奇才。
豫章翻風白日動，
鯨魚跋浪滄溟開。
且脫佩劒休裴回，
西得諸侯櫂錦水。
欲向何門趿珠履，
仲宣樓頭春色深。
青眼高歌望吾子，
眼中之人吾老矣。
<End Poem>
<Translation>
王郎がこれから蜀に行くというので送別の宴を張った。酒がまわってくると、王郎は劍を抜きはなち、地に切りつけて「同遊を思うて路無く、情は壅がり隔てられて通ずる靡し。哀れは永絶より哀れなるは莫く、悲しみは生離より悲しきは莫し」とうたいだした。満腔不平の氣、まことに周圍を壓倒するいきおいがある。おぬしの、そのおさえつけられた豪放磊落の非凡の才能は、わしにはよくわかるぞ。わしにはよくわかるぞ。豫章の大木が暴風にひるがえりほえるとき、太陽をもゆり動かすあれだ。巨鯨がさかま浪をけたてすすむとき、大海原が真二つにさける、あれだ。
まずまずその佩劍を腰からはずすんだ。そして歩きまわるのはよしたまえ。 
これから西に向かって蜀のお偉方がに逢いに行き、清らかな錦水に棹さそうというが、いったい、どなた様のお屋敷で、真珠の履をはく身分になろうというのだ。お話のさいさきはわるくなさそうだ。仲宣樓のほとり春の色は深まっている。青、王仲宣は、この樓に登って四方を眺めて憂さを晴らそうとした。そして花咲きみのり穀物の苗が畑にいっぱいあおあおとしているのみを見て「信に美しいけれども、自分の故郷ではない」といって、天下が騷亂しているのをかなしみ、自分が流浪しているのをなげいた。しかし、やがて中央へ復歸して立身榮達し、その志を天下に行なうことができた。まさしく縁起のよい土地柄ではないか。わしは、ほんとうに好意をこめて君を見、高らかにうたいながら、君の成功を切望してやまない。わしも同じ浪々の身の上だが、わしは年をとりすきた。わしはもうだめだ。いつもわが眼中においていた親愛なる王郎よ、どうか君はやりとげてくれたまえ。
<End Translation>